2025年4月中旬から、インドとパキスタンは異常な高温に見舞われ、過去最悪級の熱波が両国を襲いました。この熱波は例年よりも早く到来し、広範囲にわたり長期間続いており、数億人の生活や健康、農業、インフラに深刻な影響を及ぼしています。専門家は、これが気候変動による新たな現実の一端であり、今後さらに頻発・長期化する可能性があると警鐘を鳴らしています。
発生場所の国と都市名
国名:インド、パキスタン
主な被災都市・地域:
- インド:ニューデリー、ジャイプール、バールメール、パトナ、マドヤ・プラデーシュ州、ウッタル・プラデーシュ州、ビハール州、グジャラート州、ラジャスタン州
- パキスタン:ジャコバーバード、ナワーブシャー、モヘンジョダロ、ラホール、ハイデラバード、ラルカナ、シンド州、バロチスタン州

災害内容
発生時期:2025年4月中旬から継続中
特徴:
- 例年よりも早い時期に発生し、5月・6月の夏季よりも前に猛暑が到来
- 広範囲にわたり、長期間続く
- 気温が平年よりも5~8℃高く、地域によっては49℃に達する
最高気温:
- インド・ラジャスタン州バールメールで46.4℃(4月8日)
- パキスタン・モヘンジョダロで49℃(5月下旬)
被害状況
インド:
- 死者数:少なくとも56人が熱中症などで死亡
- 熱中症患者数:約25,000人(3月~5月)
- 影響地域:マドヤ・プラデーシュ州で5,000件以上の熱中症が報告され、ビハール州では激しい雷雨により19人が死亡
- 農業被害:パンジャブ州では小麦の収穫量が1ヘクタールあたり500kg以上減少
- インフラへの影響:電力需要の増加により、デリーでは最大9時間の停電が発生し、650本以上の旅客列車が運休Wikipedia+4The Express Tribune+4dawn.com+4scceu.org
パキスタン:
- 死者数:65人以上が死亡
- 熱中症患者数:ラホール、ハイデラバード、ラルカナ、ジャコバーバードなどで数百人が治療を受ける
- 電力・水供給への影響:バロチスタン州では最大16時間の停電が発生し、水不足も深刻化
- 学校閉鎖:パンジャブ州では1週間の学校閉鎖措置が取られる
- 農業被害:作物の早期成熟と収量減少が報告され、農業従事者の生活に打撃
まとめ
2025年春に発生したインド・パキスタンの熱波は、気候変動がもたらす新たな脅威として、私たちの生活に深刻な影響を及ぼしました。特に、社会的・経済的に脆弱な層が最も大きな被害を受けており、今後の対策が急務となっています。政府や国際機関は、早期警戒システムの強化、インフラの適応、労働環境の改善など、多角的なアプローチでこの課題に取り組む必要があります。また、個人レベルでも、熱中症対策や節電・節水の意識を高め、持続可能な社会の実現に向けた行動が求められています。
参考情報源
CBS News: Severe heat wave kills dozens in India and Pakistan
CNN: Extended heatwave in India, Pakistan to test survivability limits
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